現地工房のご報告(2021年9月)
ミャンマーでは6月以降コロナの新規感染者が
急増し、一時は陽性率40%にも上り感染拡大に
歯止めがかからない状況でしたが、2月1日以降
権力を掌握した国軍による7月17日からの臨時の
公休の度重なる延長により経済活動が減少した
ため9月4日の新型コロナウイルスの新規感染者は、
3,078人(陽性率は9.6%)、過去7日間の陽性率は、
9.4%にとどまりました。
とはいえ、医療体制の厳しい状況は変わらず行動の
制限も続いているようです。
工房では幸い感染者は出ていないものの、
万が一の時に備えて医療用の酸素濃縮器を
設置しました。写真はスタッフが使い方を
トレーニングしている様子です。
また5月より身延山久遠寺様で販売いただいておる
シルクマスクを、ミャンマービジネスの先輩の
ご協力により無事に届ける事ができました
(W様、ご協力本当にありがとうございました!)
自分たちが紡いだ生糸が、こうして日本で洗える
シルクマスクとして製品化されたことを、とても
喜んでくれてます。
早速みんなでマスクをして記念撮影。
今は現地に足を運ぶことも気軽に物資を送ることも
なかなか難しい状況ですが、スタッフの安心と安全を
第一に、希望を持ち続けて、共に歩んでいきたいと
思います。
21年6月カレン州の養蚕活動
今年も立派に育った桑の木にたくさんの桑の実がなりました。
生命力の強い桑の木は畑にしっかりと根を張り、人の背丈をはるかに超えるくらいに育ち、蚕を飼うのに十分な量の葉が収穫できるようになりました。CPの研修生が引き続き桑園の管理と養蚕を行い、機材を活用しています。
直近では2021年5月16日より6月22日まで養蚕活動が実施されたとの報告がありました。(蚕種4万頭の飼育・Aランク約10.5kg、Bランク約12.5kgの乾繭収穫)
このような状況でも現地では頑張ってカレン州の養蚕業を育てるために現地農家と協働しながら頑張ってくれています。
工房では収穫された繭を購入し生糸と真綿の生産に当てています。
コロナウイルス感染拡大の脅威や、治安や政治面での明るい兆しはいまだ見えない状況ですが、引き続き現地に心を寄せながら活動を継続したいと思います。
現地工房のご報告(2021年3月現在)
日頃よりパアン工房・ミャンマーでの事業にご賛同・ご協力をいただいている皆さまには
ご心配をおかけしております。
2020年コロナウィルスの脅威が全世界を襲いました。
それはミャンマーにおいても例外ではなく2020年2月のJICAプロジェクトのハンドオーバーを
終えてから、日本から現地に向かう事がなかなか叶わない中で、より深い悲しみがミャンマー
を襲いました。
2021年2月1日、国軍によるクーデターが発生。軍政に抗議する市民による連日の大規模な
デモやストライキは全国各地に広がり、パアンでも沢山の市民が参加しています。
しかし当局による武力行為や衝突により多数の犠牲者が出ており、市民同士が連帯するための
SNSの通信は遮断され、情報統制は厳しくなり、一般生活にも重大な影響を及ぼしています。
発生から2ヶ月が経過しようとする今も事態は好転の兆しが未だ見えない状況です。
クーデター当日は、インターネット等通信手段が遮断され、一時連絡がつかない状態が続きま
したが、当日午後には工房のマネージャおよびスタッフ全員の無事が確認できました。
現地では治安や市民生活の不安も忍び寄る中で、今後の活動について改めてスタッフの意思
確認をしたところ、皆今の仕事を続けたいという希望でした。
可能な限り通常に近い状態で現地では日々の仕事に向き合ってくれています。
コロナ禍では現地へオンラインでのレクチャーや、問題解決に快く協力してくださった専門家
の方々のお力添えもあり、現地に向かわずとも改善できた部分もありました。
また収穫した繭を余す事なく使えるように、生糸や真綿以外の商品開発にもコロナ禍では
取り組んでいきました。しかし課題はたくさん残っています。
そしていつかこの混沌が収束しても、生活は続きます。
引き続き現地に寄り添って、オンラインでも可能なサポートを続けていく事が、
今私たちにできる最善の事であると考え、これからも現地と一緒にものづくりを続けて
いきたいと考えています。