現地工房のご報告(2021年3月現在)

日頃よりパアン工房・ミャンマーでの事業にご賛同・ご協力をいただいている皆さまには
ご心配をおかけしております。

2020年コロナウィルスの脅威が全世界を襲いました。
それはミャンマーにおいても例外ではなく2020年2月のJICAプロジェクトのハンドオーバーを
終えてから、日本から現地に向かう事がなかなか叶わない中で、より深い悲しみがミャンマー
を襲いました。

2021年2月1日、国軍によるクーデターが発生。軍政に抗議する市民による連日の大規模な
デモやストライキは全国各地に広がり、パアンでも沢山の市民が参加しています。
しかし当局による武力行為や衝突により多数の犠牲者が出ており、市民同士が連帯するための
SNSの通信は遮断され、情報統制は厳しくなり、一般生活にも重大な影響を及ぼしています。
発生から2ヶ月が経過しようとする今も事態は好転の兆しが未だ見えない状況です。

クーデター当日は、インターネット等通信手段が遮断され、一時連絡がつかない状態が続きま
したが、当日午後には工房のマネージャおよびスタッフ全員の無事が確認できました。
現地では治安や市民生活の不安も忍び寄る中で、今後の活動について改めてスタッフの意思
確認をしたところ、皆今の仕事を続けたいという希望でした。
可能な限り通常に近い状態で現地では日々の仕事に向き合ってくれています。

コロナ禍では現地へオンラインでのレクチャーや、問題解決に快く協力してくださった専門家
の方々のお力添えもあり、現地に向かわずとも改善できた部分もありました。
また収穫した繭を余す事なく使えるように、生糸や真綿以外の商品開発にもコロナ禍では
取り組んでいきました。しかし課題はたくさん残っています。
そしていつかこの混沌が収束しても、生活は続きます。

引き続き現地に寄り添って、オンラインでも可能なサポートを続けていく事が、
今私たちにできる最善の事であると考え、これからも現地と一緒にものづくりを続けて
いきたいと考えています。